「ゼロポイント・アプローチは晴れの日だけでなく、雨降りの日も楽しむための技術です。」
よくワークショップでこのようにお話をしています。
これはゼロポイント・アプローチを行っていて気が付いたことですが、
ある方は、
「結婚したいのに、結婚できなくて悩んでいます・・・」
と「ない」ことで苦しんでいる一方で、
「結婚相手で苦しんでいます。早く離婚したいんです・・・」
と「ある」ことで苦しんでいる方もいます。
また、「子どもができなくて悩んでいます・・・」
と「いない」ことで苦しんでいる方がいる一方で、
「子どもが非行に走って暴力で悩んでいます・・・」
と子どもが「ある(いる)」ことで苦しんでいる方がいるのです。
さらには、
「お金がなくて困っています・・・」
と「ない」ことで苦しんでいるかと思えば、
「(莫大にある)お金で親類がもめて困っています・・・」
とお金が「ある」ことで苦しんでいる。
また、「出世できなくて(仕事で認められなくて)、悩んでいます」と
「ない」ことで悩んでいるかと思えば、
「社長になって苦しんでいます」
と地位が「ある」ことで苦しんでいる方もいるのです。
これって、かなり不思議なことだと思いませんか?
「ない」ことで苦しんでいる人から見れば、「ある」人がうらやましい。
きっと「ありさえすれば」自分は「幸せになれる」と思い込んでいる。
しかし、「ある(いる)」ことで悩んでいる人は、「早く離婚したい」などと、「なくなりさえすれば」
自分は「幸せになれる」と思い込んでいるのです。
わたしは、このような両面から相談される立場にありましたので、この不思議な現象を間近で見ていて、
「あれ?おかしいぞ。あっても、なくても、幸せになっていない人がいるみたいだな」
と、そもそも、
『ある/ない』は“幸福感”と全く無関係
であることを知りました。
あったら、「あった」の苦しみ。なかったら、「なかった」の苦しみ、なのですね。